1794年の冬、ドイツのフランコニアの農場で、世界初のアイスワインが生まれました。その年のフランコニアは予想もしない霜に襲われ、熟したブドウがそのまま放置されたために凍ってしまい処分することになりました。貧しい農民たちは、捨てるはずのブドウで僅かなワインを造ったところ、とても甘みの強い、芳醇な香りのワインが出来上がりました。この奇跡的な偶然から生まれたのがアイスワインなのです。その後、より安定してアイスワインを製造できる土地を求めて、ドイツのワイナリーがカナダに移住し、カナダでもアイスワインの生産が始まりました。
突然ですがなんとこの私、麻雀の役とアイスワインに共通点を見つけてしまったのです!
ご愛嬌ですが、共通点に注目する事は学習する上で何よりも大事な事なのです。
本来アイスワインというものは、厳しい条件の中よりできるものであります。
麻雀の役も条件が厳しく、難易度が高くなるにつれ点数も高くなっていくものなのです…。
では、アイスワイン(ドイツの格付けも同様)を麻雀の役に置き換えてみると…正にそれは「ツモ(自摸)り四暗刻」だといえるのです!
何故ならば、「ツモり四暗刻」は妥協できる役であり、アイスワインもある意味で妥協できる代物といえるからなのです!
アイスワインの条件として、・零下8度が必要。これはベーレンアウスレーゼと同等の糖度(ドイツではエクスレ度、カナダではブリックス等級)が必要であります。これを麻雀の役にたとえると満貫(それなりの苦労と運が必要)以上であるといえるのです。
そして、零下10度を超えたときできるアイスワインは、糖度から品質から何から何まで最高級のアイスワインになるのです。しかしこれはとてもリスキーなことであり、失敗をすれば完全に干からびてしまうか中途半端な水っぽいアイスワインになってしまうかで、全ては台無しになってしまうのです。これは麻雀に例えると正に役満といっても過言ではないのです。
「ツモり四暗刻」は聴牌(テンパイ)の状態でツモることができれば見事役満。妥協して和了(アガリ)した場合「三暗刻」・「対々和」で四飜、面前ですので30符がついて「切り上げ満貫」が確定な役であります。
「ツモり四暗刻」を成し遂げる為には、運もさることながら、努力と根性、忍耐力が必要なわけであり、場に和り牌が一枚づつ出てたりしたときになどは正にハラハラドキドキ!妥協という名の堕天使になる誘惑に勝てるか否か…。
アイスワインのメゾンにとってみれば、その年の天候や経済状況、諸々の事情というものがあります。零下10度を超えたときできる最高のアイスワイン、役満の「ツモり四暗刻」にするのか、「三暗刻」・「対々和」の切り上げ満貫で妥協するのかは、本人の矜持次第という所なのかもしれません。この結果がアイスワインの質の良し悪しに影響しているということはいうまでもないのです。ちなみに、妥協している生産者は多々おります。
その他のドイツワインの格付けを麻雀の役に置き換えてみました。
1. カビネット … 「リーチ・平和(ピンフ)」で2飜。
2. シュペートレーゼ … 「リーチ・平和・タンヤオ」で3飜。
3. アウスレーゼ … メン・タン・ピンにドラがのるってトコです。満貫(芸術的な手ならば)。
4. ベーレンアウスレーゼ … 満貫~3倍満。数え役満もあり得る。
5. アイスヴァイン … 満貫~3倍満。ツモれば役満ぐらいあっても良い…ですよね。
6. トロッケンベーレンアウスレーゼ … 九蓮宝燈の9面待ち、十三么九(国士無双)13面待ち。泣く子も黙るダブル役満。
0. その他ドイツワイン … 1飜。喰いタン、平和のみ等。中には良い手もある。
「阿佐田哲也」原作の映画「麻雀放浪記」の中で、主人公「真田広之」演ずる「坊や哲」の師匠、大俳優「高品格」演ずる「出目徳」のオヤジが九蓮宝燈をツモって息を引き取り、土手沿いにある彼の家に遺体を投げ捨てられるという感動のクライマックスを覚えています…。
ドイツの「リースリング」によるトロッケンベーレンアウスレーゼとはそれくらい難しい代物であり、ダブル役満みたいに金額も高いのです。
ちなみに…、ドイツの「オルテガ」という品種は貴腐菌が付きやすく、トロッケンベーレンアウスレーゼまで容易に出来てしまうことから、麻雀でいう所の、イカサマや積み込み(『2の2』の天和、元禄、千鳥、爆弾、等)みたいなものかもしれませんね。
…麻雀知らない人、すみません。

